この本のタイトルの下に
“小さな会社・お店が「強み」を洗い直して儲け続ける8つの方法”
“あなたの会社・お店は「誰に」「何を」売っていますか?”
とあります。
とかく、商売をしていると目先の売り上げを上げたいがために、日頃、販売しない、得意でない商品を販売してしまったり、本来、追うべきではないお客さんと契約してしまったり、そんなシーンが出てきます。
その時は、売り上げが上がっていいのですが、専門ではない商品を販売したり、あまりお付き合いのない顧客層のお客さんとお付き合いすると、後々、「やっぱり、この商品を売るのではなかった」「やっぱり、このお客さんと契約するべきでなかった」とアフターフォローする段階で後悔することがあります。恥ずかしながら、実は、私もその経験者のひとりです。
私は、ある時から、この本のタイトルにあるように、ビジネスをするうえで「やらないこと」を決めていました。決めていたにもかかわらず、売り上げのためにその掟を自ら破ってしまったのです。その後悔から、今では、「やらないこと」を守っています。
「やらないこと」をひとつひとつ消去していくと、「やること」が見えてきます。「やらないこと」を決めるということは、もうおわかりのとおり、「何かに絞る」ということです。小さな会社・お店は、昔から言われているように、商品や顧客層を「絞る」ことが大切だと言われています。当然ですよね、ヒト・カネ・モノの経営資源が乏しいわけですから、いろんなことにあれやこれやと手が出せません。しかし、頭ではわかっていても、ひとつに「絞る」ことへの不安もあり、ついついビジネスを拡げてしまい、なかなか、「絞る」勇気が持てない経営者がいるのも事実です。
この本は、単に“売上を上げるためには商品を絞れ”という話だけではありません(それ以外の話の方が超重要です)。最初は、私もそういう話が多いのかと思いましたが、良い方向に大きく期待が外れました。
小さな会社・お店が行うビジネスの世界観、そこから醸し出されるワクワク感・ドキドキ感、そして、その価値。その価値への対価(価格)。顧客との絆。
数値化できないこれらのことは、小さな会社・お店にとって、生き残っていくために凄く大切なことだと思います。ビジネスを絞った先にある世界観・ワクワク感・ドキドキ感は、お客さんを自社に惹きつける、自社のファンにする最大の要素だと思います。
この本、実は、2015年3月に発行された本です。発行から、もう9年以上経ちますが、書かれていることは、何も色あせていません。どの本にも言えることですが、物事の本質が書かれている本は、何年経過しても新鮮です。この本には、ビジネスのヒントが詰まっています。1日で読めますので、是非、読んでみてください。ちなみに、私はAmazonで中古本を手に入れました。
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